デジタル化・AI導入補助金|9/29締切と対象外の条件

デジタル化・AI導入補助金2026の次の締切は2026年9月29日17時。8月28日に全5枠の公募要領が差し替えられました。変更点と、AI導入で申請が通らなくなる対象外規定を公募要領から整理します。

補助金の申請締切が迫っていることを表すカレンダーと砂時計のイメージ図

デジタル化・AI導入補助金2026(旧・IT導入補助金)の次の交付申請締切は、公式スケジュールで2026年9月29日(火)17:00と示されています。加えて、2026年8月28日に全5枠の公募要領が差し替えられ、加点項目と不採択理由の扱いが変わりました。ただし締切に間に合わせることより難しいのは、自社の導入予定が対象外規定に触れていないかの確認です。公募要領には「申請できない事業者」「補助対象外の経費」「単独では申請できないITツール」が明記されており、AI導入ではこの3つ目でつまずきやすい構造になっています。本記事では、公募要領の本体から対象外側を整理します。

次の締切は2026年9月29日17時 ― 枠によって締切日が違う

デジタル化・AI導入補助金2026の次の締切は、通常枠・インボイス枠(両類型)・セキュリティ対策推進枠が2026年9月29日(火)17:00、複数者連携デジタル化・AI導入枠のみ2026年10月30日(金)17:00です。枠を取り違えると1か月の差が出ます。

中小企業デジタル化・AI導入支援事業の公式スケジュールに掲載されている日程は次のとおりです(いずれも2026年8月31日時点の公表内容)。

申請枠交付申請締切交付決定日(予定)事業実施期間(予定)実績報告期限(予定)
通常枠2026年9月29日(火)17:002026年11月9日(月)交付決定〜2027年4月30日(金)17:002027年4月30日(金)17:00
インボイス枠(インボイス対応類型)2026年9月29日(火)17:002026年11月9日(月)交付決定〜2027年4月30日(金)17:002027年4月30日(金)17:00
インボイス枠(電子取引類型)2026年9月29日(火)17:002026年11月9日(月)交付決定〜2027年4月30日(金)17:002027年4月30日(金)17:00
セキュリティ対策推進枠2026年9月29日(火)17:002026年11月9日(月)交付決定〜2027年4月30日(金)17:002027年4月30日(金)17:00
複数者連携デジタル化・AI導入枠2026年10月30日(金)17:002026年12月10日(木)交付決定〜2027年5月31日(月)17:002027年5月31日(月)17:00

制度の全体像(補助上限450万円・補助率・枠ごとの用途)はデジタル化・AI導入補助金2026の基礎解説で整理しています。本記事はその続きとして、締切直前に効いてくる「対象外側」を扱います。

2026年8月28日更新で何が変わったか

公募要領は2026年8月28日に全5枠が差し替えられました。文書内の改定履歴の日付は2026年8月27日で、公式ダウンロードページ上の更新日表示(8月28日)と1日ずれています。改定の中身は、加点項目の追加と不採択理由の扱いの見直しです。

各枠の公募要領の改定履歴から、2026年8月27日付の変更を整理します。

変更点内容対象の枠
不採択理由の扱い「審査内容・不採択理由については開示しない」から、「不採択理由については、事務局から通知する事項以外は開示しない」に改訂全5枠
審査事項の追加加点・減点の審査事項に「セキュリティ対策を進めているか」を追加通常枠・インボイス枠(両類型)
加点項目の追加中小機構「IT経営サポートセンター」の利用を加点対象に追加(第6回公募回より加点措置)通常枠
加点の重点化加点対象の一覧に「特に、3)の取組みを重視する」を追記(3)=導入するITツールとして「スマートレジ」を選定していること)インボイス枠(両類型)
みなし同一法人の適用拡大交付決定の取消し・登録取消処分に関する留意事項で、別法人であっても同一法人と認められる場合を含むと明記全5枠

実務上インパクトが大きいのは、通常枠の加点項目に追加された中小機構「IT経営サポートセンター」です。公募要領には、加点を受ける条件として次の3点が記載されています。

  • 2026年8月1日以降に利用申込を行うこと
  • 申込時に本事業の申請に用いる法人名・住所・法人番号を入力すること
  • 交付申請日以前かつ、各公募回における交付申請締切日の前月末日までの利用が確認できること

3点目が重要です。2026年9月29日締切に間に合わせて加点を得るには、前月末=2026年8月31日までの利用が必要という読み方になります。同じ加点枠の「IT戦略ナビwith」と両方を利用しても、加点はいずれか一方のみです。

AI導入に使えるのはどの枠か ― AI専用の枠は存在しない

制度名に「AI導入」が入っていますが、AI専用の申請枠はありません。AIを含むソフトウェアが、通常枠をはじめとする既存の枠の対象として扱われる構造です。

公募要領は、補助対象となるITツールを「IT導入支援事業者が提供し、かつ事務局に登録された中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上に資するソフトウェア(AIを含む。以下同じ。)・オプション・役務・ハードウェアの総称」と定義しています。AIは独立した枠ではなく、ソフトウェアの一部として位置づけられています。

通常枠の補助額と補助率は次のとおりです。

補助金申請額必要な業務プロセス数補助率
5万円〜150万円未満1プロセス以上1/2以内(※)
150万円〜450万円以下4プロセス以上1/2以内(※)

※令和6年10月から令和7年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合は2/3以内。

補助対象経費のうち、月額・年額で使用料金が定められているサブスクリプション形式の製品は最大2年分が対象です。導入コンサルティングや導入研修などの役務(大分類Ⅲ)は200万円が上限で、1つの交付申請につき1つのみ申請できます。

「AIツールなら対象」ではない ― 確認すべき3つの除外規定

公募要領には、対象を定める記述と同じ量の「対象外」の記述があります。AI導入で実際に引っかかりやすいのは、汎用プロセスの単独申請不可・経費の除外・事業者の除外の3つです。

① 汎用プロセスだけのITツールは単独で申請できない

補助対象のITツールは業務プロセスに紐づいて登録されます。共P-01(顧客対応・販売支援)から各業種P-06(業種固有プロセス)までの業務プロセスに加え、汎P-07「汎用・自動化・分析ツール」という汎用プロセスがあります。

公募要領は、汎用プロセスのみを保有するITツールは単独では交付申請できないと明記しています。共P-01〜各業種P-06と組み合わせて申請することで、初めて1プロセスとしてカウントされる扱いです。

そして別紙2「業種・プロセス一覧」では、汎P-07の該当機能例としてRPA、チャットボットシステムが挙げられています。文書作成ソフト、グループウェア、社内チャットツール、Web会議システムなども同じ汎P-07です。

つまり、社内向けのチャットボットやRPAだけを導入する計画は、そのツールが汎用プロセスしか持たない場合、その単独では申請が成立しません。加えて、チャットボットのシナリオ作成費は汎P-07ではなくカテゴリー6(導入設定・マニュアル作成・導入研修)として登録するよう注記されています。

汎用プロセスのみのITツールは単独申請できず、業務プロセスとの組み合わせが必要であることを示した図

② 補助対象外の経費(AI導入で刺さる4項目)

公募要領2-2(4)は補助対象外の経費を10項目挙げています。AI導入の計画で特に確認が要るのは次の4つです。

対象外の経費AI導入での意味
交付申請時においてITツールの利用金額が定められないもの利用量に応じて金額が変わる形態は、申請時点で総額が定まるかを確認する必要があります
対外的に無償で提供されているもの無料版・無料プランのAIツールは対象になりません
リース・レンタル契約のITツール(サイバーセキュリティお助け隊サービスを除く)契約形態によって可否が変わります
交付決定前に購入したITツール先に契約・発注すると、その費用は対象外になります

このほか、交通費・宿泊費、補助金の申請代行費、消費税、中古品も対象外です。申請代行費が対象外である点は、外部に申請支援を依頼する場合の費用計画に直接影響します。

③ 申請の対象外となる事業者

公募要領2-1-2は、要件を満たしていても申請できない事業者を列挙しています。主なものは次のとおりです。

  • 発行済株式・出資価格の1/2以上を同一の大企業が所有、または2/3以上を大企業が所有する中小企業・小規模事業者等
  • 確定した直近過去3年分の各年・各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超える事業者
  • 「みなし同一法人」に該当する場合(親会社が議決権の50%超を持つ子会社、代表者および住所が同じ法人など)は1社のみ申請可能
  • 本補助金の「IT導入支援事業者(構成員を含む)」に登録している、または登録しようとする事業者(補助事業者との重複不可)
  • 経済産業省または中小機構から補助金交付等停止措置・指名停止措置を受けている事業者
  • 宗教法人、法人格のない任意団体(同窓会・PTA・サークル等)
  • 過去1年に労働関係法令違反で送検処分を受けた事業者、反社会的勢力に関係する事業者

グループ会社でそれぞれ申請しようと考えている場合、みなし同一法人の規定に該当すると1社しか申請できません。この確認は計画の初期に行う必要があります。

締切から逆算する準備の順序

準備の起点は締切ではなく「交付決定前に購入したITツールは対象外」という規定です。交付決定を待たずに発注すると、申請が通っても補助を受けられません。

2026年9月29日締切で通常枠に申請する場合、公表されている日程からの逆算は次のようになります。

  1. 2026年9月29日(火)17:00 … 交付申請の締切。IT導入支援事業者との共同申請のため、支援事業者側の作業時間を見込んで着手する
  2. 2026年11月9日(月)予定 … 交付決定。この日より前の発注・購入は補助対象外
  3. 交付決定〜2027年4月30日(金)17:00予定 … 事業実施期間。導入・支払い・運用開始をこの期間に収める
  4. 2027年4月30日(金)17:00予定 … 実績報告の期限
交付申請から実績報告までの流れと、交付決定前は発注できないことを示したタイムライン図

交付申請から交付決定まで約6週間あります。この間に導入を進められない点が、AI導入のスケジュールを引くうえでの制約になります。他の制度と比べたい場合は、設備・システムによる省力化なら省力化投資補助金 第8回の要件、新製品・新サービスの開発を伴う投資なら新事業進出・ものづくり補助金 第1回も候補になります。

よくある質問

デジタル化・AI導入補助金2026の次の締切はいつですか。

公式スケジュールでは、通常枠・インボイス枠(両類型)・セキュリティ対策推進枠が2026年9月29日(火)17:00、複数者連携デジタル化・AI導入枠が2026年10月30日(金)17:00と示されています。

生成AIのチャットボットを導入したいのですが、補助対象になりますか。

チャットボットは汎用プロセス(汎P-07)の機能例として公募要領に記載されています。汎用プロセスのみを持つITツールは単独では交付申請できず、共P-01〜各業種P-06の業務プロセスと組み合わせる必要があります。

先にAIツールを契約してから申請してもよいですか。

できません。公募要領は「交付決定前に購入したITツール」を補助対象外と明記しています。交付決定日は2026年11月9日(月)予定のため、それ以前の発注・購入は補助を受けられません。

2026年8月28日の公募要領更新で、申請要件は変わりましたか。

申請要件そのものではなく、加点項目と不採択理由の扱いが変わりました。通常枠では中小機構「IT経営サポートセンター」の利用が加点対象に追加され、全5枠で不採択理由の一部が通知される形に改訂されています。

まとめ

デジタル化・AI導入補助金2026の次の締切は2026年9月29日(火)17:00(複数者連携枠のみ10月30日)です。2026年8月28日の公募要領更新では、通常枠に「IT経営サポートセンター」の加点が加わり、全5枠で不採択理由の一部が通知される形になりました。

一方で、AI導入の計画がつまずくのは締切ではなく除外規定です。汎用プロセスしか持たないツールは単独申請できず、無償提供のツールと交付決定前の購入は対象外、みなし同一法人はグループで1社しか申請できません。

Auto-IDフロンティアの視点では、この制度で最初にやるべきは金額の試算ではなく、「導入したいAIツールが、どの業務プロセスに紐づいて登録されているか」の確認です。ここが決まらないと、申請額の区分(1プロセス以上か4プロセス以上か)も定まりません。次の一手は、公式の「ITツール検索」で候補ツールの登録プロセスを確認し、IT導入支援事業者に相談することです。なお本記事は2026年8月31日時点の公表内容に基づくため、申請前には必ず公式ポータルで最新の公募要領を確認してください。

導入したいAIツールが補助対象に当たるか、どの枠で申請すべきかを整理したいという方は、AI導入相談フォームからご相談ください。業務プロセスの棚卸しから一緒に進めます。

出典・参考資料

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